今年、初顔合わせ
田舎ということもあって、毎年夏になると境内にはカブトムシやクワガタがやってくる。
ところが今年は暑さのせいか、それとも先の台風10号のせいか、理由は分からないが、
コクワガタ1匹遭遇しなかった。
そんな中、今日になってようやく記念すべき今年第1号の出遇いがあった。
ミヤマクワガタのメスである。
実年齢38歳のオッサンでも、心は少年のまんまなので、正直なことを言えばメスよりオスのほうが気分は高揚する。
しかし今年の初物ということで、これはこれで嬉しいものである。
小学生の頃は毎年、カブトムシやクワガタを捕まえては虫かごで飼育し、手の込んだエサを作ったりコタツの中に入れたりして「どれだけ長生きするか」に挑戦していた。遠い記憶では12月の半ばまで生きたのが自分の中の最長記録である。同級生に自慢したくて、親が止めるのも聞かず学校に持って行ったのが運の尽き。コタツから寒空の下に出されたものだから、次の日あっけなく死んでしまった。自業自得以外の何物でもないが、今でも忘れられない苦い思い出である。
夏に生まれ、夏の間に命終えるのが夏の虫の「自然な姿」であると今では思えるようになった。
アスファルトの上をチョコチョコ歩いていたので、ちょっとだけ手を貸して、境内で一番大きなクスの木の根元へ連れて行った。ミヤマクワガタはすぐさま土の中へと潜っていった。
これが38歳の手一杯。