自由になりたかったエビ
昨年5月、御門徒さんからヌマエビを10匹ほど頂いた。
稚エビも生まれ、順調に数を増やしていたのだが、夏の猛暑で茹で上がってしまい全滅してしまった。
同じ悲劇は繰り返すまいと今年の4月、自分でヌマエビを購入した。
前回はミナミヌマエビだったので、今回はヤマトヌマエビにしてみた。
体が大きい分、力も強い。跳躍力はミナミの倍ほどもある。
メダカの水槽に入れて3か月が経とうとした今日のこと、事件は起きた。
4匹いるはずのエビが1匹見当たらない。
水槽の中をくまなく探すも、3匹しか泳いでいない。
もしや、昨日のうちに命が尽き、仲間に食べられてしまったのか―。
そう思い、後ろを振り返った瞬間だった。
干からびた姿のエビが床に落ちていた。どうやら水槽の隙間から逃げ出してしまったらしい。
中身はアリに食べられ、外骨格だけになったエビ。
よほど外の世界に憧れがあったのだろう。
畜生ゆえに再び輪廻しなければ仏とはなれない身であるが、どうか次生では人間に生まれてきてほしいものである。
エビの亡骸は、ほんのり“えびせん”の香りがした。
