自伝 ―大学時代の話 11-

「類は友を呼ぶ」と諺があるがO君と私は性格が似ていた。だからごく自然に我々は友達になった。

私は文学部真宗学科で、彼は文学部日本語日本文学科。学科が違うためサークル以外で顔を合わせることはめったになかったが、私にとっては数少ない友人の一人だった。

3か月もしないうちに私はサークルの幽霊部員と化したが、彼は愚直にサークルに出席し続けていた。

この頃はまだガラケー全盛期で、当然LINEなんてものは存在していなかったから連絡手段は当然メールだった。

半月に一度くらいの頻度でO君からメールが届く。「来週、家来ていい?」。

約束の当日、彼は手提げ鞄一つで我が家にやってくる。部屋に入るなり彼は言う。「パソコン使っていい?」。

ここからしばらくはキーボードを叩く音だけが部屋に響く。

半月に一度、彼は授業で課されたレポートを作るためにうちに来るのだ。

レポートが終わるとしばらく雑談をする。

サークルの様子だったり、今勉強していることだったり、ざっくばらんに話す。

ひとしきりしゃべり終わると、「それじゃ」と言って帰って行く。

つかず離れず、そんな関係だった。

しかしそんな関係もだんだんと疎遠になっていき、2回生の春頃には完全に途絶えた。

それでもあの静かな時間は私にとって良い思い出である。