自伝 ―大学時代の話 16-
私は英語が嫌いである。中学の時からずっとだ。
中学、高校は赤点ギリギリでなんとか切り抜けてきた。
しかし所詮メッキはメッキ。やがて剝がれるもの。センター試験は200点満点中63点だった。
なぜ英語が嫌いなのか。答えは「発音にルールがないから」だ。
例えば「i」。どうしてspringは「イ」と発音するのに、mindになると「アイ」になるのか。
「o」もそうだ。orderは「オ」なのに、mountainは「ア」なのか。
英語の先生は言った。覚えるしかない、と。
その瞬間、私は英語が嫌いになった。
中学3年、高校3年、計6年も嫌いな英語を受けてきたのに、大学に入ってもなお2年英語があるという。
しかも英語のみならず第二外国語も選択しないといけないという。
どれを選んだとて結果は同じと諦めて、私はドイツ語を選択した。
ところが、だ。ドイツ語は私に向いていた。
読み方のほとんどはローマ字読み。一部例外はあるもののきちんとルールがあり、それに従えば初見の単語だろうと「読むこと」はできた。読むことにつまずいていた私にとってこれは天地がひっくりかえるほどの喜びだった。
男性名詞・女性名詞・中性名詞と、名詞に性別があることには多少苦労したが、ドイツ語の授業は面白かった。
おかげでテストはいつも高得点。英語では劣等生だった私がドイツ語では優等生だった。
そんな私が2年後、ドイツに留学に行くなんて、この時は思いもしなかった。
