丸二年なのに三回忌?

丸二年なのに三回忌?

「一周忌は命日から数えて丸一年だから分かるけれども、どうして丸二年が三回忌になるの?」―。確かに不思議ですね。そこでちょっと字に注目してみてください。一周忌は「周」、三回忌は「回」となっています。加えて三回忌以降は七回忌、十三回忌、二十五回忌…とずっと「回」を用います。実はここにこそ謎を解くカギがあるのです。

あなたは「満年齢」と「数え年」という二つの言葉をご存じでしょうか。ともに年齢の数え方なのですが、歳を加える点が異なるのです。

 満年齢 … 生まれてから丸一年経った時点で歳を加える数え方

 数え年 … 生まれた初日(始まり)の時点で歳を加える数え方

もともと日本は数え年を採用していました。一年の始まりであるお正月にみんな一緒に歳を加える、という数え方をしていたので、例えば12月31日に生まれた子も次の日には一歳と計算していました。これがやがて西洋文化が入ってきたことにより、日本も西洋式に習い満年齢での数え方に変化していきます。すなわち12月31日の子は翌年の12月31日をもって一歳となったのです。

さて、最初の話に戻しますが、結論から言いますと一周忌は「一周した」ということで満年齢による数え方をし、それ以降の年忌は「○回目の始まり」という意味で数え年による数え方をします。したがって数え年でいいますと、往生した日が一回忌(一回目の始まり=0年1ヶ月目)、その一年後が二回忌(二回目の始まり=1年1ヶ月目)という計算方法になります。

丸二年が三回忌となるのは、それが三回目の始まり(2年1ヶ月目)に相当するからです。

ポイント:「一周忌」は満年齢による数え方、「三回忌以降」は数え年による数え方。