メダカ、久しぶりに太陽の下へ

これまでは冬でも屋外に出しっぱなしにしていた我が家のメダカだが、今年は雪予報が出たこともあって、1月末より屋内に避難させていた。外と比べて室内は空気の循環が悪いので酸欠になることを心配していたが、ほとんど死ぬことなく無事に冬を乗り越えることができた。

彼岸が終わり、一気に気温が上がった今週、満を持してメダカを外へと出した。久しぶりに日の光を浴び、メダカ達も心なしか喜んでいるように見える。屋内とは違い、屋外は水温がぐんぐん上がるのでエサの食いつき方も全然違う。

水温が低いとメダカは底のほうでジッとしている。ほとんど動かないから腹も空かないらしく、エサを与えても見向きもしない。逆に水温が高くなると一気に活性化し、一日中泳ぎ回るので腹が減るのだろう。加えて約ひと月半にわたり絶食生活だったものだからエサを見つけると凄い勢いで食べ始める。メダカ版ラマダン明けといったところか。

「腹が減らないから食べない」「腹が減ったから食べる」。自然界では当たり前のことであるのに、その当たり前が自分にはできていないとつくづく思う。私は「腹が減ったから食べる」し、「腹が減ってないのに食べる」。

その業は脂肪という形で、私の悩みの種をまた一つ増やす。

不自然に生きている我が身の姿を、自然に生きるメダカから教わる。

「弥陀仏は自然のやうをしらせんれうなり」。

私にとってメダカはいつも善知識である。