参詣時の服装

参詣時の服装

葬儀の際は「黒のスーツ」と明確に分かっているけれども、法事でお寺に行く際はスーツなのかそれ以外でもいいのか迷ってしまう…。そんな経験、皆さんにはありませんか?

実は服装に関しては特に決まりはありません。スーツでもいいですし、それ以外でも全く差し支えありません。また周囲と合わせる必要もありませんので、たとえ「お寺に来てみたらスーツ姿は自分一人だった」という状況であろうと恥ずかしがらなくて結構。だって「みんな正解」なのですから。

ただ一点だけ覚えておいていただきたいのは「私の目の前にいらっしゃるのは仏さまである」ということです。

相手が家族や友人といった気の知れた間柄であれば、軽装だろうと着崩していようと別にいいのです。しかし相手が自分よりも目上の方だったらどうでしょう。自分の上司や先生と会うのにパジャマ姿で行く方はいないはずです。仏さまは人間を超えて私たちに真実を教え導いてくださる“いのちの師”。であれば服装に「特に決まりはない」とはいえ、さすがにTシャツやデニム、ジャージ等がその場にふさわしくないことは自ずと分かるのではないでしょうか?

その昔、お釈迦さまの弟子達は説法が始まる時分になると皆揃って衣を整え、居住まいを正し、きちんと整列して、お釈迦さまをお迎えしました。それが師に対する礼儀でもあり、そういう“場”を作ることが気持ちよく聴聞できると知っていたからです。つまり、聞き手のもまた美しい法座を作る荘厳の一要素だということです。

法事の主人公は正面の仏さまであり、仏縁を結んでくださった故人であり、読経する僧侶であり、主催者である施主とその家族であり、そして案内を受けて招かれた参詣者一人ひとりです。全員が一つに和することで法事というものは完成するのです。ですから遅刻や中座、雑談や居眠りといった和を乱すことはくれぐれもしないよう気をつけましょう。

服装にせよ態度にせよ、たとえそれがどんなにふさわしくなかろうと仏さまが怒ることはありません。

ですが、これは私たち人間の側の意識の問題です。意識を高く持つか、意識すらしないかで法要の雰囲気はガラリと変わることだけは私の経験からいって明らかなようです。

せっかくお寺に行くのでしたら、気持ちのいい時間にしましょうよ。

ポイント:法事を作るのは自分自身。「相手は仏さま」と意識することで、取るべき行動が変わってくる。