斎場にて…

葬儀の時は大体30分前には斎場に着くよう心がけている。

控室にて待機していると、大体はスタッフの方が「お茶」を自動的に運んできてくれるのだが、場所によっては「先生、お茶を召し上がられますか?」と一度伺いに来られることがある。

その場合に限っては、「いいえ結構です」と断るようにしている。

理由は「その時点ではまだ準備がされていないから」だ。

私が「飲みます」と言えばスタッフの方は準備を始めるだろう。つまりそれは私の発言が仕事を一つ増やしたことになる。どうもそこに一種の申し訳なさを感じてしまうのである。

有無を言わさず向こうがお茶を持ってきた場合は普通に頂く。

しかし、飲む・飲まないの判断がこちら側に委ねられた時は断る。

これが私の中のルールである。

先日行った斎場でこんなことがあった。

1人のスタッフから「飲まれますか?」と聞かれた。

私は「いいえ」と答えた。

数分後、別のスタッフがお茶を運んできた。

意思疎通がされていなかったのか、気を利かせてくれたのかは不明だが、お茶を持ってきた。

出された以上は飲むのが礼儀。だから有り難く頂戴した。

その光景を最初のスタッフが見ていたかどうかは分からない。

飲んでいる部分だけ切り取れば、私はかなり印象の悪い人物に映ったかもしれない。

釈明の機会はないが、私は自分の中のルールに従っただけなのである。