自伝 ―大学時代の話 4-

入学式後、クラス分けが行われた。

私にあてがわれたのは文学部真宗学科、F先生のクラス。

ほぼ全員が「お寺の出身」ということで、20名中、女子は3名しかいなかった。

オリエンテーションでは一人ずつ前に立って、自己紹介をした。

同い年ではあるが初対面ということでみんなまだ敬語である。

終業のチャイムが鳴ると、5,6人で構成された男子グループが声を掛けてきた。

もうすでに彼らは打ち解けて、友達になったらしい。

あわよくば私もグループに入らないか、というお誘いだった。

もともと自分は人見知りだったので、これ幸いと快く受けた。

互いの素性を聞いていく中で、会話が高校時代の話題になった時、「通学手段は何を使っていたか」という話になった。バス、電車、自転車、徒歩…。回答が私に回ってくる。私は何の気なしに「単車」と答えた。

その瞬間、全員が一斉に私の顔を見た。

その時はじめて知ったのだが、単車というのは「エンジン付き二輪車」のことをいうらしい。

地元では原付のことも単車と呼んでいたので、私としては「単車=原付」という理解だった。

―その日以降、何故か早川は高校時代ヤンキーだったという噂が流れ、呼び名が「早川さん」になった。

話しかけられる際も敬語になり、結局それはクラス替えが行われる2回生の終わりまで変わることはなかった。