報恩講
彼岸会やお盆、永代経などお寺では毎年いくつもの法要が営まれますが、その中において報恩講は私たち真宗門徒にとって一年で最も大切な法要です。それは報恩講が浄土真宗を開かれた親鸞聖人の御命日法要だからです。
聖人がお念仏のいわれを明らかにし、さらにその教えを広く布教してくださったからこそ今日の浄土真宗があります。もし聖人がこの世に生まれていなかったなら、あるいはお念仏以外の他の教えに帰依していたなら、私たちがお念仏一つで極楽へ往生できる道は閉ざされていたことでしょう。だからこそ聖人の御遺徳と御苦労を偲んで、宗祖の御命日を大切にしてきたのです。報恩講が始まったのは聖人の三十三回忌(1294年)からといわれていますが、以来およそ730年以上にわたり報恩講が勤められてきたことは真宗門徒の結束力の強さであり、誇りでもあります。
一番大切な法要ですので、報恩講が近づいてまいりますと本山から地方の一般寺院に至るまでお寺では「おみがき(仏具磨き)」が行われます。最も美しい荘厳で法要をお迎えしようというわけです。
そして当日になりますと本山では豪華絢爛な荘厳のもと、全国各地の僧侶が結集し、七昼夜かけて報恩講をお勤めします(真宗興正派の場合は11月21日~28日が報恩講期間です)。さらにこの期間にだけ内陣には聖人の誕生から往生までの御生涯を絵に描いた掛け軸「御絵伝(ごえでん)」が掛けられ、御絵伝の場面を言葉で説明した『御伝記(ごでんき)』が拝読されます。
ご家庭で報恩講をお迎えする際も基本的には上に準じます(ただしご家庭の場合は御命日当日である11月28日の一日だけで結構です)。
まず前日までにお仏壇の仏具を磨いてピカピカにします。
ロウソクもできましたら白ではなく赤を用います。
用意が整ったら家族みんなで親鸞聖人がお書きになった「正信偈」(『同朋聖典』6頁)をお称えし、読経後は御勧章の「聖人一流章」(『同朋聖典』103頁)を拝読します。
報恩講は親鸞聖人の御命日を縁とした法要です。
ですが一番大切なことは儀式をすることではなく、「この私が仏法聴聞していくこと」にあります。
お聴聞を重ね、私が念仏申す人となっていくことが聖人に対する、ひいては阿弥陀さまに対しての報恩行です。
自分の肉親だけでなく、もっと広い、この浄土真宗の歴史にも手を合わせてみましょう。
