家庭でのお勤め
お仏壇のお給仕は日常的に行っていても、お仏壇に向かってお勤めも行っている方というのは少ないのではないでしょうか。
しかし、お給仕はあくまでもお勤めをするための前準備、すなわち“従”であって“主”ではありません。
仏事の中心はお勤め(=読経)です。何度も繰り返し仏さまや親鸞聖人のお言葉に触れることによって、私自身が迷いから目覚めていくのです。亡き人へ向けて読んでいたつもりが、実は亡き人に願われて読ませていただいていたのだと気づかされる、それが私たち浄土真宗のお勤めです。
忙しさに追われ、家族の時間がバラバラになっている現代だからこそ、せめて一日の中にほんの数分でも静かな気持ちで家族が集う時間を作ってほしいと思います。
本来、お勤めは朝と夕方それぞれに行うのが理想ですが、現代においてはそれもなかなか難しいかもしれません。
ですので、ご家庭の事情にあった時間帯、あるいは「毎週日曜日は家族でお勤めをする日」というように曜日を決めて行うのはいかがでしょうか。
大切なのは「続けること」です。
具体的な手順については次のように行います。
①お給仕から続けてお勤めする場合
すでにお経を読む準備が整っているので、そのままお勤めに入ります。
②お給仕から時間を置いてお勤めする場合
はじめに蝋燭に明かりを灯し、次に線香を焚いて、お勤めを始めます。
読経については「正信偈」が正式ですが、時間がない場合には「讃仏偈」や「重誓偈」、「帰三宝偈」や「成就文」でも構いません。生活に無理のない範囲でお勤めして頂ければ結構です。
お勤めの本のことを「勤行本(ごんぎょうぼん)」と言います。勤行本はお寺に置いてありますので、ご自宅にない方はお手次のお寺へお尋ねください。
読み方に関しては市販のCDもありますが、一番良いのはお寺の方に聞くことです。声を吹き込んでくださるお寺もあるでしょうし、一緒に読み方の練習をしてくださるお寺もあります。勤行本をお持ちの方は自分一人で称えられるようになるまで遠慮せずにどうぞお寺へお越しください。
