オテツギの寺

オテツギの寺

先日、葬儀を済まされた御門徒さんとお話ししておりましたら、こんな質問を受けました。

「葬儀屋さんから『オテツギのお寺様はどこですか?』と尋ねられたのですが、‟オテツギ”とはどういう意味ですか?」。

確かにあまり口にすることはありませんし、初めてその言葉を聞く人からすると急に‟オテツギ”と言われてもちょっと想像しにくいかもしれませんね。

‟オテツギ”という字は漢字で書くと「お手次」となります。その意味は「仲立ち」のことです。

本山と御門徒さんの間を取り持つ仲介者、ということで「普段、自分がお世話になっている(=所属している)お寺」のことをお手次の寺というわけです。

ちなみに「お手次の寺」と近い言葉に「菩提寺」「檀那寺」という言葉がありますが、これらの言い方は浄土真宗の教義からいうとふさわしくありません。

菩提寺というのは、そのお宅のお墓を持ち、位牌を安置して、位牌に書かれた故人の冥福を祈ること(これを「菩提を弔う」といいます)を宗旨とするお寺のことです。

私たち浄土真宗ではお墓に位牌を安置することもなければ、冥福を祈ることもありませんので(詳細は「冥福を祈る」の項を参照)、菩提寺という言い方はしないのです。

また浄土真宗の場合、信徒は「檀家」ではなく「門徒」ですので(こちらは「檀家と門徒の違い」の項を参照)、檀那寺という言い方もしないのです。

余談ですが、私ども浄土真宗の僧侶は御法話をさせていただく際に冒頭でよく「お取次(とりつぎ)させていただきます」という言葉を使います。この「お取次ぎ」も「お手次」とほぼ同じ意味を持つ言葉ですが、大まかにいえば御門徒さんを結ぶ相手がモノ(=本山)の場合は「お手次」、相手がヒト(=仏さまや親鸞聖人)の場合は「お取次」と、使い分けをしております。

よろしければ覚えておいてくださいね。

ポイント:「お手次の寺」というのは浄土真宗固有の名称。門徒として正しい言葉を知っておこう。